『マネーモンスター』は株式投資の教訓が詰まっている
皆様こんにちは、takahiroです。
昨日、『マネーモンスター』という映画を観ました。
2016年に公開されたアメリカのミステリー・サスペンスで、監督をジョディ・フォスター、主演をジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが務めるという豪華なキャストの映画です。
題材が株式投資となっていることもあって興味を持ち観てみたのですが、主軸は人間模様に据えつつも、株式投資において大切なことを教えてくれる作品だと思ったので、映画の感想を交えつつお話していきます。
『マネーモンスター』のあらすじ
まず、公式サイトに記載された作品のあらすじと予告動画を。
財テク番組「マネーモンスター」で、パーソナリティを務めるリー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)。“ウォール街の魔術師”と称される彼は、毎回、巧みな話術で株価予想や視聴者へのアドバイスを番組内で繰り広げていた。しかしこの日は、思わぬ事態が起こっていた。上場したばかりのアイビス・キャピタルの株が急落し、損失額は8億ドル以上。同社のCEOによると、コンピュータのアルゴリズムによる株取引が暴走した結果だという。以前の番組でアイビスの株を勧めていたリーは、アイビスの広報担当者と中継をつなぎ、その理由についてインタビューしようとしていた。その頃、テレビ局の搬入口から、配達業者を装って侵入する男がいた。やがて男は「マネーモンスター」のスタジオに入り込む。最初はリーの「仕込み」だと思ったプロデューサー兼ディレクターのパティ・フェン(ジュリア・ロバーツ)だが、男は突然、拳銃を出すとリーに突きつける。さらに「放送を続けろ」と脅迫しながら、リーの体に起爆装置を巻き付けるのだった。果たしてリーの運命は?そしてアイビス株の裏に隠された衝撃の事実とは?事態は、さらに予測不能の方向へと導かれていくーー。
株式投資は自己責任で行うもの
この作品で拳銃を持ってTV局のスタジオ内に立て籠もった男は、リーが番組で「アイビス・キャピタルの株を買うことは、銀行預金よりも安全」と言い切っており、それを信じて母親の遺産6万ドル(今の日本円に換算すると約640万円)を全てつぎ込んだものの、暴落によって失っていました。
以前、こちらでもお話しましたが株式投資はあくまで最後は自分自身の判断でどの銘柄を購入するか決定する必要があり、他人が発信する情報を信じて行うことはとても危険です。
企業業績や過去の統計などのデータを調べて買いか売りかを当てることができるのならば、そもそもその当事者はその手法を他人に教えたりなどしないでしょうし、今頃プロの投資家達は大儲けしています。
それができないのは、「誰も株が将来どんな動きをするのか分からない」からであり、だからこそどんな情報があっても、最後は自分の意思で行うべきなのが株式投資なのです。
その観点で見ると作品に出てくる立て籠もり犯は、酷な言い方になりますが『他人の情報を信じて株式投資を行い、失敗した愚か者』ということになるのです。
知らないことは悪いことではない、知ろうとしないことが問題だ
当初、アイビス・キャピタルの株が暴落したのは『アルゴリズム取引(高速取引システム)が謎のバグを起こした結果発生したもの』と同社の社長が釈明していましたが、ストーリーが進んでいくとそれは真実ではないことが判明していきます。
同社のアルゴリズム取引のプログラムを設計した男性が、真実を知ろうとする同社の広報担当である代案にこう言っていたのが印象的です。
仕組みを知らないからバグと言う。知らなければ、損失の説明をしなくて済む。
アルゴリズム取引というシステムが原因不明のバグを起こした。
これは一見すると問題の説明になっているかのように感じますが、実は全くそんなことありません。
システムを設計した男性は、「本来アルゴリズム取引でそんな巨額の損失を出すことは不可能なんだ」と述べています。
これはつまり、アルゴリズム取引の仕組み(どんなシステムであるのか)を理解していれば、問題の原因が社長が釈明している内容とは全く異なることが分かるのです。
作品内では当初、誰もこのシステムの仕組みを理解しておらず、またそれを確認したり調べようともしなかったため「原因不明のバグ」であることを信じて疑わず、立て籠もり犯含め投資で資産を失った人々は泣き寝入りするしかなかった。
知らないことがあるのは人間であれば当たり前ですし、それ自体は罪でも何でもありません。
しかし、問題なのは『知らないこと』をロクに知ろうとせず、表面上で分かった気になっていることです。それはいつか必ず、しっぺ返しとなって自分に襲いかかってくることでしょう。
世界は変わらない、だから生き抜く力を身に付けろ
ストーリーの終盤、社長は法令違反の容疑で捜査されることとなりますが、結局それ以外の部分(株式市場や世間)は何も変わることなく、むしろこの出来事自体もネタの1つとして面白おかしく取り上げられる形となりました。
これが示唆することは、『どんなことが起きても、自分に直接関係が無ければ人間は何も学ぼうとしないし、世界も変わらない』ということです。
・株式投資は自己責任で得するも損するも自分次第
・知らないヤツは知っているヤツに搾取され、誰も救ってはくれない
悲しいことですが、これが現代の姿です。
これを踏まえた上で僕達ができることは、世の中にはびこっている『理不尽に覆い隠された真実』の犠牲にならないように知識や経験を見に付けることだと僕は思います。
「自分は関係ないし、そんな目には遭わない」と思っている1秒後には、自分が当事者となっている。
映画はフィクションですが、それは決してフィクションではなく現実に起こり得ることなのです。
まとめ
株式投資を始めようと思っている人や始めたばかりの人は、『マネーモンスター』を観ることをオススメします。
専門用語が出てくるので難しく感じるかもしれませんが、実際はそんな難しいことを言っているわけではなく、『単純なことを難しくしているだけ』です。
きっとそんなところでも、『知らないことを知ろうとすることの大切さ』を教えてくれる作品です。