財務レバレッジとは?~分かりやすく解説~
皆様こんにちは、takahiroです。
財務レバレッジという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
普段はあまり目にする機会がないかもしれませんが、株式投資の世界ではROEに付随して目にすることが多いかもしれません。
今回は、そんな財務レバレッジがどういうものなのか説明していきます。
財務レバレッジとは?
簡単に言うと、『総資産が自己資産の何倍あるのか』を表している指標です。
こう言われてもピンと来ないかもしれませんが、要するに『会社がどの程度安全に資産を入手して利用しているか』が分かるようになっています。
会社は様々なモノやサービスを創り、それを顧客に販売・提供することで利益を得ている(儲けている)わけですが、無から有を創れるわけではありません。
『資本』という元手がってはじめて、モノやサービスを創り出すことができるのです。
そして、この資本は細かく見ると、「自己資本」と「他人資本」に分けられ、
自己資本:株主(投資家)から集めたお金とこれまで会社が稼いで手元に残してあるお金の合計→返済義務なし
他人資本:銀行等から借りたお金→返済義務あり
という特徴があります。
そして、この両者を合わせたものが総資産(全部でいくら元手があるのか)で、自己資産は自己資本だけを見たものです。
例えば総資産が100あって、自己資産が50ならば、他人資本は50ということになります。つまり、返済義務がないお金が50あって、返済義務のある(借金)お金が50あるということが分かるのです。
財務レバレッジはそれを割合として算出することで、会社が借金というリスクを負わずにモノやサービスを創り利益を得ているか分かりやすくしています。
財務レバレッジの計算式は?
先程お話したように、『総資産が自己資産の何倍あるのか』を示す指標なので、
総資産÷自己資産
で計算すれば算出することができます。
総資産が100、自己資産が50ならば、
総資産(100)÷自己資産(50)=2
というのが財務レバレッジの数値ということになります。
財務レバレッジの数値の適正値は?
そんな財務レバレッジですが、では具体的にどの程度ならば優良なのか?が分からないと算出しても意味がありませんよね。
一般的には、財務レバレッジが2倍以下なら会社としてバランスの良い資産割合で経営出来ていると判断されています。
2倍以上あるということは、その分借金があり、返せなくなる可能性も高まるためです。
しかし、これはあくまで一般的な話であり、業種や会社の性質によって一概には言えないことをしっかり理解しておく必要があります。
例えばまだ発展途上の無名な会社は、自己資本だけでお金を集めようとしてもなかなか集まらないことがあります。
投資家はその会社に投資することでリターン(利益)が得られると思わなければ投資してくれないのが一般的ですが、発展途上な無名会社はこれからどうなるか分からず投資するリスクが大きいため、投資に及び腰になる可能性が高い。
しかし、利益を生み出すためにはどうしても元手が必要なので、他人資本で賄うしかないということで財務レバレッジの割合が高くなる、ということもあるのです。
大切なのは、『その会社の財務レバレッジが、計画的な戦略に基づいた数値になっているか(借金をしてでも元手を作ることが、会社をさらに成長させるために必要なことなのか)』ということです。
まとめ
財務レバレッジを通して会社の資産状態だけでなく、安全性や戦略、今後の思い描いている展望まで見ることができます。
割合(数値)だけに囚われず、その割合が合理的なものなのかをしっかり見定めた上で、他の指標と組み合わせて投資すべきか否かを決めてみましょう。