『卵は一つのカゴに盛るな』とは~分かりやすく解説~

皆様こんにちは、takahiroです。

 

投資の世界にはこれまでに先人達が残した様々な格言がありますが、その中で代表的なものの一つに『卵は一つのカゴに盛るな』というものがあります。

 

個人的には投資だけでなく、人生においても使える大切な考え方だと思うので、今回はこの格言の意味などを分かりやすく説明します。

 

 

『卵は一つのカゴに盛るな』とは?

簡潔に言うと、「投資をする際に何か特定の一つに全財産を注ぎ込むのではなく、いくつかに分散してリスクをなるべく減らそう」という意味です。

 

卵は割れやすいもので、一つのカゴに全て持っておくと、万が一カゴを落とした際に全て割れてしまいます。でも、カゴを分けて盛ればどれか一つを落としても他は無事ですよね?

 

投資には、株式や債券、不動産など様々な商品があり、それぞれの種類も多岐に渡ります。

これらの価値は常に変動しており、良い時もあれば悪い時もあるため、例えばある一つの株式だけに全てのお金を使うと、いざ価値が悪く(低く)なった時に大きな損失を抱える可能性が高まります。

 

そこで、同じ株式でも違う業種の会社の株を買ったり、債券や不動産といった別の投資商品も買っておくことで、もしある一つの株の価値が落ちても、他が値上がりしてカバーできる状態になっていれば損失が少なくなったり、逆に利益を出せる可能性も上がります。

 

投資の世界ではこれを『分散投資』と呼んでおり、常に損失を出すリスクのある投資においてそれを回避するための考え方であり、手法と言えるものとなっています。

 

 

この考え方は正しいのか?

書籍やインターネット上のWeb記事を見ていると、人によってはこの格言、ひいては分散投資について否定的な意見も出ています。

 

・利益を出したいなら一つに集中して注ぎ込め

・分散しても、それら全てが値下がりしたら意味がない

 

などというものです。

 

正直なところ、投資に正解は無いので自分が十分検討した上で選んだ手法であればそれでいいと思いますが、僕としては分散投資は大切だと思っています。

 

実際にいくつかの業種の株式を保有していますが、どれかが値下がりしていてもどれかは逆に値上がりしていることが多く、悲観的になったり焦ったりすることはありません。

 

これがもし一つにだけ全財産を使っていると、値下がりしたらしただけ損失が生まれ冷静ではなくなり、余計な損失を増やすことも考えられます。

 

なので、分散することは大切だと実感しています。

 

 

まとめ

先人達が残し未だに存続している格言は、そこに重要な意味があるから存続しています。

 

分散投資の考え方は、投資だけでなく生きていく上でも役立つものだと思うので、意味をしっかり把握し、これを活かしていきましょう。

 

投資銀行とは?分かりやすく解説~

皆様こんにちは、takahiroです。

 

『投資銀行』という言葉を聞いた時、どんなものを思い浮かべるでしょうか?

普段使っている銀行、証券会社、はたまた別の機関を想像する人もいるかもしれません。

 

この言葉自体、普段生活している中では聞き慣れないもので具体的にどんなものなのか分からないという人も多いと思います。

 

そこで今回は、投資銀行について説明していきます。

 

 

投資銀行とは?

簡潔に言うと、『会社(法人)を顧客としてM&A(他者との合併や買収)の提案やアドバイスをしたり、証券引受(会社の発行した株を一時的に購入しきって、そこから投資家に販売し資金調達を手伝う)などといった業務を行うのが投資銀行です。

 

僕達が普段お金を預けたり引き出したりしている銀行は『商用銀行』と呼ばれるところで、この投資銀行とは異なる存在です。

 

投資銀行は、商用銀行のような個人や会社に対してお金の預け入れや引き出しをしたり、融資(お金を貸し付ける)ということは行っていません。

 

銀行と名称が付いてるのでややこしいですが、とりあえず普通の銀行とは違うということを覚えておけばOKです。

 

 

代表的な投資銀行

では、投資銀行はどのような会社があるのでしょうか。例えば、米国(アメリカ)であれば以下がそれに該当します。

 

ゴールドマン・サックス
モルガン・スタンレー
メリルリンチ
リーマン・ブラザーズ

 

投資をしない人も、1度は聞いたことのある名前が並んでいると思います。

特にリーマン・ブラザーズは2008年の『リーマン・ショック』という事件の名前の由来となった会社なので、かなり有名です(経営破綻し倒産したため、現在は存在していませんが)。

 

米国の投資銀行は扱っているお金は膨大で、政界にも大きな影響を与える世界的に見ても堂々たる存在感を示しているのです。

 

一方、日本ではどんな会社があるのか見てみましょう。

 

野村證券

大和証券

SMBC日興證券

 

ご覧の通り『証券』と付いており投資銀行とは違うように見えますが、実は日本では商用銀行や証券会社が業務の一環として投資銀行の役割をしていることが多く、外国とは少し毛色が異なるのです。

 

とはいえ、外国と比べ劣っているかというとそんなことはなく、どこも有名で大きな会社ばかりなので、覚えておいて損はありません。

 

 

証券会社とは違うの?

しかしこれも紛らわしいのですが、証券会社と同じかと言うとそうではありません。

 

証券会社は投資家間の株などの取り引きを仲介する業務を行っていますが、投資銀行はそうした業務は行っていないのです。

 

先程申し上げた通り、投資銀行は会社(法人)を相手としたやり取りをしており、基本的に僕達のような個人を相手とした業務はしていません。

 

それぞれの役割を簡単にまとめると、

 

・商用銀行(お金を出し入れしたり、融資をしている)

・証券会社(投資家の取引を仲介している)

・投資銀行(法人の資金調達や、M&Aを手伝っている)

 

という感じになります。

 

 

まとめ

普段生活しているとあまり触れることはありませんが、投資銀行は経済、ひいては世界の情勢に大きな影響を与えることもしばしばです。

 

どんな会社なのかザックリとでも把握しておいて、自分の視野を広げておきましょう。

 

余談ですが、投資銀行は業務は大変ですが、その分給料もかなり良いらしいです。

就活や転職活動をしていてお金に興味のある人は、目指してみるのもいいかもしれません。

 

資本主義経済とは何なのか~『チャイナ・ブーム 一攫千金の夢』の感想~

皆様こんにちは、takahiroです。

 

NETFILIXにて配信されている『チャイナ・ブーム 一攫千金の夢』というドキュメンタリー映画映画を観ました。

 

アメリカで制作されたもので、日本では2018年に公開された本作は、リーマンショック後のアメリカの投資家達が中国企業に投資を始めた理由や経緯が描かれています。

 

この作品を観ていて感じたのは、資本主義経済の取り繕いようがない闇でした。

本日はこの映画の感想を交えつつ、それをお話していきます。

 

 

"逆さ合併"により続々と米国市場に上場した中国企業

リーマンショックによって、世界の株式市場は暴落しました。そのため投資家達は投資をしようにもする場所が無く途方にくれていました。

 

そんな中で、中国だけは目覚ましい成長の兆しが見えており、アメリカの投資家達は目を付けます。

 

しかし、中国企業にはアメリカの投資家が直接投資をすることが制度上できないため、考えた策が「だったら、米国市場に上場させれば投資ができる!」というもの。

既存の『米国市場へ上場しているけれど経営実態のない企業』と合併させ、中国企業を無理やり市場に参加できるようお膳立てし、投資家達は投資を行います。

 

このようなやり方を逆さ合併と言うらしいのですが、相変わらず人間は利益のためなら手段を選ばないということが分かります。

 

法律的に違法ではないものの、経営実態の無い企業を利用して上場させるというのは、倫理的にはアウトです。でも、それと引き換えに投資家はじめアメリカ経済は潤うことになる。

 

利益が倫理をないがしろにするのは今に始まったことではありませんが、それでも観ていて気持ちのいいものではありませんね。

 

 

食い物にしていたはずが、食い物にされていた

しかしそれからしばらく経った後、次第に上場している中国企業の実態に気付く人達が現れます。

 

企業を現地視察したり企業の玄関口にカメラを設置し1年ほど調べたところ、とてもじゃないけれど公開されている書類に記載されているような莫大な利益をあげている雰囲気は感じられなかったのです。

 

つまり、書類上にある目覚ましい成長を続けている中国企業などどこにも存在しなかったのです。

 

それに気付いた人達は世に訴えかけますが、誰も見向きもしない上に、中国企業に付いている弁護士や当局の反撃に遭い、逆に痛い目を見ることに。

 

結局、ようやくそれに世の中が気付いた時には投資家達は恐ろしい額の損失を叩き出し、個人の中には10万ドル(今の日本円に換算すると少なくとも1000万円ほど)を失った人も出たとのことです。

 

中国企業で儲けようとしたはずが、逆に中国企業のいいカモにされてしまったという哀れな結果で終わってしまいました。

 

勝者がいれば必ず敗者が存在する。資本主義経済の現実を見たように思います。

 

 

投資家は守られない

この作品で語られたのは、米国証券取引委員会や監査法人など、本来上場する企業を監視し市場や投資家を守るために存在する機関は、企業から提出された書類を左から右に流し処理するだけ(実態を調査したりはしない)であるということです。

 

そうして、中国企業を米国に上場させようと考えた『何者か』にまんまと騙され大勢の人達のお金が失われることとなりました。

 

しかし、この事件について責任を問われ立場を追われたり自らの財産を無くした人はほぼ皆無なのです。

 

それどころか、今もどこかでお偉い立場で高給をもらいふんぞり返っている。

 

ここから分かることは、投資家(特に個人投資家)はいつだって食い物にされるリスクを抱えており、たとえ損失を被っても自業自得で終わるんだということです。

 

そして、それを防ぐための役割を負っているはずの人々は何もせず、何か起こっても知らんぷりであるということ。

 

以前ご紹介したインサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実に出てきたお偉い方々と全く同じで、思わず笑ってしまいました。

toushi-wakariyasui.hatenablog.com

 

「私は悪くない。」

これが、本来市場を監視や企業を監視し投資家を守る役割を負った人物の言葉なのですから、もうどうしようもありませんね。

 

 

資本主義経済の犠牲にならないように

作品の冒頭と最後で、こんな言葉が出てきます。

 

資本主義とは何か?経済システムか?あるいは他者から搾取し儲けるために人間が利用する装置なのか。働き者が正しく報われる一方で、他人を利用するものが報われる仕組みでもある。

 

資本主義であることは自由であることですが、同時に搾取し搾取される者が存在する弱肉強食の世界になるということです。

 

そうならないように様々な機関が存在するはずですが、この作品を観るとそれらも結局はお飾りで、自分の身は自分で守れるように常に学び続ける必要があると思わざるを得ません。

 

信じるべきは他人ではなく、自分自身。

 

それが、悲劇を防ぐためのキーポイントだと感じました。

 

 

まとめ

冒頭で「この作品に出演するのは全員悪人だ。」というとんでもない文言が出てきますが、観終わるとそれは間違いではないということが分かります。

 

あまりに自分勝手な人達ばかりなので観ていて気持ちの良いものではありませんが、自らの保身と利益に囚われた人間がどんなものなのか、反面教師にする意味ではとても役立ちます。

 

また、投資をする上で信じるべきものは何なのかを教えてくれる作品でもあると思います。

 

作品の最後で、財産を失った人達が出てきますが、彼等の表情を見ているとやるせない気持ちになります。

 

彼等と同じ轍を踏まないためにはどうすればいいのか。この作品から教訓を得ることをオススメします。

 

株式投資をしていて良かったと感じた瞬間~みんなも投資をやってみよう~

皆様こんにちは、takahiroです。

 

7月に入り、いよいよ夏が本格的に始まったと言えるこの時期。

僕のもとには、保有している株の優待や配当金の授与のお知らせが続々と届きました。

 

僕は3月が決算の会社の銘柄を結構持っているので、この時期に集中しているというのもあるんですが、こうして実際に手に取ると「株式投資をやっていて良かったなぁ」と思います。

 

投資は貯金するのと違い、元本割れするリスクを抱えています。

例えば1万円があったとして、貯金すれば増えないにせよ1万円はそのまま減ることもありません。

しかし投資は、1万円が9000円になったり最悪の場合0円になったり、信用取引などをしていれば借金をする羽目になる可能性もあります。

 

だから「投資は危険だ」という風潮が流れ、こんなことするべきではないと主張する人もたくさんいます。

 

 

しかし僕としては、投資をすることでむしろお金について考える機会が増え、知識が身に付くので良いものだと思っています。

 

元本割れという『自分のお金が減ったり無くなってしまうかもしれない』という危機感があることで、そうならないためにどうするべきか勉強し学ぶようになるのです。

 

事実、僕は株式投資を始めてから、それまで全く興味の無かった経済を勉強するようになり、分かっていたつもりになっていたお金のことを、実は全然分かっていなかったと思い知りました。

 

 

なぜか日本の学校では、株式投資はもちろんお金のことをちゃんと教えてくれません。

そして、学校というある意味『強制的に学べる場所』でやらないと、なかなか自分から進んで勉強する機会はありません。

 

人は自分が理解できていないものに対し理由のない恐怖や不安を抱き、避けようとする生き物なので、多くの人はそのままでいるのです。

 

しかし上記で申し上げた通り、投資は僕達に大切なことをたくさん教えてくれます。

それだけでなく、優待や配当金という具体的に形のあるものを僕達に与えてくれます。

 

こんなにメリットのあることをやらない手はないと思います。

もちろんリスクもありますが、自分が出来る範囲をきちんと把握して行えば追い詰められるほどの状況に陥ることはありません(現に僕はそんなことになっていません)。

 

今の世の中は、弱者が食い物にされる時代であると感じています。

これは『知らない人が、知っている人にいいようにされている』と捉えることもできると思います。

 

しかし知らないのであれば、知ればいいだけです。そしてその機会はいつでも周りに溢れています。

 

株式投資をして、お金や経済を知り世の中を知り、優待や配当金をもらって余裕のある生活を送る。

 

決して夢物語ではなく、自分の頑張り次第で現実にできる可能性のあることです。

 

まだ株式投資を全く知らず、始めていない人も、ぜひ試しにやってみることをオススメします。初めは少額でも構いません。

 

『自分のお金を自分で管理する』という本当の意味を、株式投資で体験してみましょう。

 

裁かれるべきは誰だったのか『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』の感想

皆様こんにちは、takahiroです。

 

2011年に公開されたドキュメンタリー映画、『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』を観ました。

 

ドキュメンタリー映画を観るのは初めてだったのですが、フィクションではない現実だからこそ考えさせられることがたくさんあり、内容もあのリーマン・ショックを題材にしたものでとても勉強になりました。

 

本日は、この映画の感想を交えてリーマン・ショックとは何だったのかという個人的な見解をお話していきます。

 

 

起こることが必然だった

世界的な大不況を招いたキッカケはリーマン・ブラザーズという投資銀行が倒産したことにあったのかもしれませんが、映画を観ていて思ったのは「大量の火種があった中でトドメの着火を迎え、リーマン・ショックという結果になった」だけでないかということです。

 

規制緩和・サブプライムローン・デリバティブ・CDO・CDS。

 

放っておけばいつか必ずそのツケが回ってくることは明確なのに(それを指摘した人もいたのに)、当時の金融界のお偉いさん達はじめ業界人は、目の前に転がる莫大な利益しか見ず、何とかしようという考えは皆無だったことがよく分かりました。

 

おそらく「何かがあっても、ツケを払うのは自分ではない」と他人事のように捉えていたところもあったのでしょう。

 

みんながやってガッポリ儲けているのに、自分だけ真面目にやってバカを見ることはしたくないというのは人間の性かもしれませんが、それでも自分自身が『ガラクタ』と評するものを顧客に売りさばくという行為について、どんな心境でやっていたのか気になるところです。

 

どんなにオイシイ果実も、吸い尽くせばいつかは無くなるという当たり前のことに失った後からしか気付けない人間の愚かしさが、観ていてとことん感じられました。

 

 

罪に問われることも裁かれることもなかった大物達

劇中のインタビューに出てくるのは、そのほとんどが当時の金融界を席巻していた立場ある大物でしたが、事実はハキハキ答えるのに自分に都合の悪い話に触れたり、追い詰められそうになると途端に「話す気はない」や「そうは思わない」や「あと3分で終わりなのだからまともな質問をしてくれ」などとはぐらかしたり逃げたりするところに、あの世界的不況の真実は今後も永久に闇の中なんだろうなと否応なく思わせてくれました。

 

そんな彼等は何の罪にも問われず、当時得た莫大な利益も没収されることなく、今も社会的立場のある役職でのうのうと暮らしています。

 

一方で、職を失い貯金を失い家を失った人々は、毎日をどう生きようか必死になっています。

 

世の中は平等ではないなんて分かりきったことですが、それでもこれを観ていると責任も取らずのうのうと生きてる彼等にいつの日か報いが訪れますように、と祈りたくなります。

 

お金が集まるところには権力も集まるというのは、本当なのかもしれません。

 

 

搾取される側には立たないようにという教訓

おおもとの原因は金融界の人々による果てしない欲望の暴走でしたが、一方で彼等の口車に乗せられマイホームを購入した人も、100%悪くないというのはちょっと違うのではないかと思いました。

 

いくら調子の良いことばかり銀行員や仲介人から言われたとしても、契約の内容(返済額がいくらなのか等)と現状の自分の収入と状態を照らし合わせて考えれば、後々必ずマズいことになるのは予想がつくものではないでしょうか。

 

もしそれを微塵も感じさせないほどの巧みな話術と精緻な契約書だったのなら仕方ない部分もありますが、おそらくそうではなく、単に自分が組んだローンがどんなものだったのかよく理解しないままマイホーム、という餌に飛びついた。

 

もちろん一番いけないのは問題を放置し続けた提供側にありますが、これに関しては一般市民の方にも落ち度とまでは言いませんが、原因はあったように思います。

 

そうならないために、最低限の金融に関する知識と世の中の情勢を掴んでおくことは必要だなと改めて感じました。

 

 

まとめ

正直、観ていて気持ちのいい作品では決してありません。

 

人間の醜く愚かな面が結構な割合で出てくるので、「何だこれは」と思うかもしれませんが、世界の失敗の歴史を知ることは将来自分が同じ状況に置かれないように、また万が一置かれてしまった際にどうすればいいのか学ぶためにも大切なことです。

 

作品のタイトルであるインサイドジョブ(inside job)は、日本語で『内部の者の犯行』という意味となります。

 

ここで言う『内部の者の犯行』とは何を指しているのか、ぜひ映画を実際に観て考えてみてくださいね。

 

『マネーの代理人たち ウォール街から見た日本株』を読んだ感想

皆様こんにちは、takahiroです。

 

昨日、この本を読了しました。

 

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元フジテレビキャスターで、ペンシルバニア大学ウォートンMBA、米国の投資運用会社で働いた経験もある女性が書いたものなのですが、結論を言うととても興味深く面白かったです。

 

今日は、読んでみた感想をつらつらと述べていきたいと思います。

 

 

機関投資家だって、僕達と同じ人間である

機関投資家というのは、顧客のお金を預かってそれを運用することを仕事にしている、いわゆるプロと呼ばれる投資家を指します。

 

プロの投資家と言うと、僕達は頭が良くて計算高い、見るからにエリートで出世街道まっしぐらな、自分とは生きてる世界が違う人間とイメージする人も多いかもしれません(僕もそんなイメージでした。)

 

しかし、実際に投資運用会社内部で働いていた著者は、これをハッキリと否定しています。

 

彼女いわく、

 

「彼等も自分の家庭を持ち生活するために必死に働いていて、常により良い成績を出そうと努力し戦っている普通の人間」であり、巨額の資金を運用しているとはいえ、それは他人の資金で、あくまで『マネーの代理人』に過ぎないというのです。

 

だから成功する時も失敗する時もあるし、様々な人間模様があるし、正しくない判断をする時もある。

 

一部の人達が抱いているお金に強欲ながめつい人間もいるかもしれないが、決してそんな人間ばかりがいるような世界ではない、と。

 

僕は投資運用会社で働いたことはないですし、機関投資家の方とお話したこともありませんが、この本を読んでいるとそれがとてもよく分かりました。

 

投資を生業にしている機関投資家といえども、所詮は投資世界の歯車の1つであり、彼等が牛耳って全てをコントロールできるわけではないのです。

それができるなら、みんな彼等にお金を預けて自分達は何もしなくてよくなりますからね。

 

その認識を持つことは、個人投資家としてやっていくにあたり大切だと思いました。

 

 

他人のお金を預かり運用するプロだからこそのジレンマ

著者によると、『マネーの代理人』である機関投資家は、これが仕事であり動かす資金が巨大だからこそできないことも多いと述べています。

 

顧客とはお金を預かり運用するにあたり契約書を交わしているのですが、ここには大抵の場合「現金として保有できるのは、預かり資産の○○%以下」というような事項があるらしいのです。

 

これはどういうことかと言うと、現時点で株や債券などの証券に投資することがとても危険(損失を出す可能性が高い)状況であっても、どこにも投資をせずに保有したままにすることができる金額に限界がある、と。

 

つまり顧客からすると、「こっちが金預けて高い手数料払ってんのはそれ以上に金を増やしてもらうためで、それを投資せずに保有したままにするなんてただの怠慢だ!」と捉えられ、自分の会社からは「お前の仕事は投資して顧客のお金を増やすことだろう、それをせず保有したままなんて使えないヤツだ!」と捉えられる。

 

たとえ「今は投資をしないことが最善策」だと思っても、それができないのです。

 

個人投資家は自分のお金を運用しているので「今は投資しない方がいいな」と判断したらそれでいいのですが、機関投資家はその選択肢が封じられています。

 

また、運用する資金が高額なので、ある銘柄に投資するとそれ自体が株価を乱降下させる原因となるかもしれず、相場が不安定になり損失を生み出す恐れもあります。

 

自らの行動が自らを成功へと導くか墓穴を掘るハメになるのか、常に大きなチャンスとリスクを抱えているそのプレッシャーは半端ないものだろうと思います。

 

プロである機関投資家は、実は様々な制約を受けていることがよく分かります。

 

 

マネーを正しい場所に、正しい量で、正しく流れるように

著者は『マネーの代理人』である彼等は(少なくとも彼女が見てきた彼等は)、「お客さんのお金を増やしてハッピーにさせて、それで自分のお給料も上がってハッピーになれる仕事」だと自負し誇りを持って働いている人もいれば、世間のイメージ通りお金にがめつく欲深い人もいると述べています。

 

そしてそんな彼等を含め、投資の世界で巨大なお金を動かす時は『恐怖と強欲』がそこにあるのだ、と。

 

そうすると、本来お金が入るべき場所に流れず、逆に既に十分入っている場所により流れてしまい偏りが生まれ、いびつな形になってしまいます。

 

しかし、それは短期的に見れば良いかもしれませんが長期的に見ると市場そのものを壊してしまう危険性を秘めています。

 

『マネーの代理人』を評価するシステムは、ほとんどが短期的な目線でしか評価しておらず、だから彼等は目先の利益を上げようと躍起になるようなのですが、そうではなく長期的な目線で評価するシステムに変更し、市場が今より良い世界になるようにする必要があると著者は主張しています。

 

目先の利益を追った結果、思わぬ大きな損失を出してしまうのは僕達個人投資家も同じだと思います。長期的な目線を持って投資を行うことが、自分をハッピーにする秘訣だとこの本は訴えているように感じました。

 

 

まとめ

冒頭では「専門用語はなるべく使わないことを心掛けた」という記述があるのですが、内容の性質上調べないと分からない(単語を聞いたことはあってもその意味が曖昧)なものが結構あったので、投資を始めたばかりの初心者には少し難しいなとは思いましたが、それでも読む価値は十分にある一冊です。

 

投資運用会社で働くプロの投資家である人々の実状が書かれているので、とても視野が広がります。

 

何事もそうですが、彼を知り己を知れば百戦殆うからずです。

機関投資家は敵ではありませんが、それでも僕達と同じ投資をしているのはどんな人達なのかということを知るのは、決して損はありません。

 

投資をしている人は、ぜひ読んでみてください。

 

自分が好きなことをして生きられるのであれば、それは間違いではない

皆様こんにちは、takahiroです。

 

突然ですが、皆さんは今人生を楽しく生きられていますでしょうか?

 

僕はというと、結論から言えば「まぁ悪くない」という曖昧なところです。

仕事はそんなに辛いとかもなく、プライベートの時間は確保できているし、友達は・・・少ないですがそんなに寂しさを感じることもありません。

 

一人暮らしの社会人なので、何をするにも基本的に自由。

やりたいこともやろうと思えば大概のことはできます。

 

でも、満足できるほど楽しいかと聞かれると、そうではありません。

理由としては、「お金を得るために、常に労働し続けているから」です。

 

当たり前ですが、生きていくためにはお金が必要です。

そして、特に資産や財産を持っているわけではない僕は、働き続けないとお金が無くなります。

 

そしてお金が無ければ、好きなことややりたいことも満足にはできず、追い詰められれば普通に生活していくこと自体も難しくなります。

 

これは僕だけでなく、世の中にいる大半の人達がそうだと思いますが、収入源が1つしかなくしかもそれが労働しなければ収入が得られない状態であれば、仮にこれを止めてしまうと待っているのは困窮と死です。

 

大げさと思う人は、昨今のコロナの影響をもう1度よく見てみると分かるでしょう。

 

経済が止まったことで仕事を無くした人が計り知れず、倒産・破産した企業も数知れず。

 

そこには1度は名前を聞いたことのある有名企業も含まれていました。

 

これはつまり、『サメのように常に動き続けていないと(働き続けていないと)死ぬ』という自転車操業である事実を、残酷なまでに映し出していると僕は思います。

 

そして、仕事を無くした人達が声高に叫んでいたのは「経済を止めたのは国なのだから、国がどうにかしろ」ということです。

 

確かに経済を緊急事態宣言によって止めたのは国ですが、では仕事を無くした人達は、いつか自分がこうした非常事態に見舞われることを考え、少しでも前もって対策を打っていたのでしょうか。

 

対策というのは貯金・投資・人脈形成などなど、何でも構いません。

とにかく不測の事態が起きた際に少しでも自分の助けになるように行動していたのかが肝心です。

 

僕が株式投資をしているのは、いざ何かあった時に自分の身は自分で守れるようにしておきたいというのも理由の1つです。

 

今回のコロナ渦でも浮き彫りになった通り、国が国民のために行動するのには多大な時間がかかり、その保証も十分とはとても言えません。

 

そして、みんな自分のことだけで精一杯で、誰かを助ける余裕を持っている人なんてほんのひと握りです。

 

だから、自分を助けることができるのは自分だけという前提のもと、今は職があって安定している人も、これからの不安定な未来のために準備しておくことが大切ではないかと僕は思います。

 

それは僕がしているような株式投資でも、それ以外でもいいのです。

重要なのは『自分が直接働かなくてもお金が得られるようにしておく。もしくは得られる手段を身に付けておく』ことです。

 

アリとキリギリスの話を思い出してみてください。

キリギリスは現状に甘え、後先考えず生活していた結果、最後はアリに乞いをするも断られてしまいました。

 

一方でアリは、来るべき未来のためにせっせと準備し、見事厳しい時期を乗り越えました。

 

僕ももちろんですが、皆さんもキリギリスとならないように今のうちから準備しておくことが必要ではないかと、僕は思います。

 

何だかんだ言って、世の中には自己責任で片付けられてしまうことがたくさんあります。その言葉に苦しむことにならないよう、頑張りましょう。

 

配当利回りとは?~分かりやすく解説~

皆様こんにちは、takahiroです。

 

証券会社のサイトで各社の株価などの情報が載っているページを見ていると、『配当利回り』という項目が存在することに気付くことがあると思います。

 

文字だけ見て「会社の配当に関わることなんだろうな」ということは分かっても、では実際に何を表しているのかはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、この配当利回りについて説明します。

 

 

配当利回りとは?

簡潔に言うと、『現在の株価で株を購入した際に、1年間で得られる配当がいくらか』を示した指標の1つです。

 

これだけではいまいちピンと来ないかもしれないので、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

まず、株式投資の世界では「私達の会社の株を買ってくれた株主に対して、会社の利益の中から分け前を出します」というものがあります。

 

会社は株を買ってもらうことで資金を得て、その資金を使ってモノやサービスを作り販売して稼ぎを得るので、資金を提供してくれた(会社に協力してくれている)投資家に見返りとして稼ぎの一部を渡すのです。

 

これを『配当(もしくはインカムゲイン)』と呼び、株式投資の醍醐味の1つと言われています(会社によっては配当を出していないところもあります)。

 

しかしこの配当、会社によって出す金額は異なり、1株につき10円を出しているところもあれば1株につき15円出しているところもあって、バラバラです。

 

投資家としては「いかに少ない資金で、高い配当を得られるか」というのは購入する株を選ぶ際の重要な判断材料の1つです。

 

なぜなら配当が高い会社はそれだけ資金を出してくれた投資家(株主)に誠意を持って接してくれているということですし、それだけ配当が出せるということはまだまだ会社として成長できる余地がたくさんあると捉えることもできるからです。

 

つまり配当利回りは、「配当と株価の関係性を見た時に、その株を買うことはお買い得かどうか」を判断するのに使える指標ということなのです。

 

 

配当利回りの計算式は?

そんな配当利回り、算出するための計算式は全く難しくありません。

 

年間配当÷現在の株価×100

 

これで簡単に出すことができます。

 

×100というのは、配当利回りが%(パーセント)で表されるもののため付いています。

 

例えば年間配当が100円、現在の株価が300円だとすると、

 

年間配当(100)÷現在の株価(300)×100

 

で、33.3%が配当利回りとなります。

 

年間配当の金額と現在の株価は、四季報や証券会社のサイトを見ればすぐに分かるので、あとは上記の式にそれを当てはめて算出すればOKです。

 

 

配当利回りはどのくらいあれば良いの?

配当利回りがどんなものか、そして算出するための計算式も理解できたら、あと気になることは具体的に何%あればお買い得と判断できるのかということだと思います。

 

一般的には、配当利回りが2%以上ある会社が優良だと言われています。

 

現在、銀行の定期預金で高い利率を誇るところでも0.150%とかみたいなので、それと比較すると2%という株式の配当がいかに高いか分かりますね。

 

しかし、注意しなければならないのは、これはあくまで一般的な話であり、配当利回りだけを見て購入する銘柄を選ぶのは危険な時もあるということです。

 

配当利回りは先程の計算式の通り、年間配当を現在の株価で割れば算出できます。

 

これはつまり、年間配当の金額が上がるか、株価が下がればその分だけ配当利回りの数値は上がるということ。

 

しかし、例えば会社としてそこまで稼げてないのに、投資家に株を買ってもらいたいがために無理して配当を高く出していたり、株価が下がった理由が会社の将来に不安な要素(極端な話、経営破綻や倒産の危機などがある)があるからということだと、事情は大きく変わってきます。

 

配当利回りはあくまで指標の1つで、株価と配当の関係性という視点からでしか株がお買い得かどうかを表していないので、他の指標も使って多角的にお買い得かどうかを見極める必要があることを、忘れずに覚えておきましょう。

 

 

まとめ

配当は株を保有しているだけで会社が与えてくれるお金で、誤解を恐れず言えばこちらが何の努力もしていなくて勝手に入ってくる不労所得です。

 

もちろん、こちらも株を買うことでお金を出していますし、会社の業績によっては配当が無くなるといったリスクも背負っていますが、だからこそ会社が順当に利益を出し、配当を得られた時は嬉しくなります。

 

配当利回りをしっかりチェックして、なるべく多くの配当金を受け取り、投資家としての自覚と自信をつけていきましょう。

 

弱肉強食の現代のリアルがそこにはある~映画『マージンコール』の感想~

皆様こんにちは、takahiroです。

 

昨日、2011年に公開された映画『マージンコール』を観ました。

 

日本では劇場未公開ですが、かの有名なリーマン・ショックを題材にした作品ということでこれは観る価値があるだろうと判断しました。

 

感想を簡潔に言うと、「何の救いも無いけれど、どうしようもなくリアルな資本主義経済の実状」が描かれたものだと思いました。

 

今回は、そんな『マージンコール』の感想とここから学んだことを書いていきます。

 

 

『マージンコール』とは?

まず、この作品のあらすじから。

2008年、ニューヨーク。ウォール街の大手投資会社で大量解雇が始まった。解雇になったエリックは、部下のピーターに「用心しろよ」と意味深な言葉を残しUSBメモリーを託して去る。原子物理学の博士号を持つアナリストのピーターは、リストラから生き残った数少ない1人だった。その夜、エリックから引き継いだデータを調べるピーターは、会社倒産をも招く危機的事態に気付き上司のサムに報告すると、深夜、緊急の重役会議が開かれることになる。8兆ドルもの資産の命運を左右しかねない状況で、彼らは経済的・道徳的にも崖っぷちに立たされることになっていく。決断の時は、刻一刻と迫ってきていた・・・。

 

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日本の劇場では未公開ということもあってか、予告編に字幕が付いておらず英語が分からないと何を言ってるか不明だと思いますが、ヒリヒリとした緊迫感は伝わってきます。

 

要するにこの作品は、「自分達の会社がとんでもない額の損失を出す商品を抱えていることが発覚し、このままいけば倒産は免れない状況に陥った会社内部の人間のやり取り」を描いています。

 

 

マージンコールの意味は?

そもそもマージンコールというのは金融用語の1つで、こんな意味があります。

 一般的には、外国為替保証金(証拠金)取引において、評価損が拡大し保証金(マージン)の担保余力が減少した際に、保証金の追加注入を依頼するための通知、または保証金の追加注入を強制する制度のことをいいます。外為どっとコムの『外貨ネクスト』では、毎営業日午後3時時点のレートで口座状況を時価評価した際に、お客様がお預けになったご資金とポジションによる評価損益の合計(有効保有額)が維持保証金のレベルを下回った場合(維持率が50%を下回った場合)、電子メールにてお知らせを行ないます。これを「マージンコール」といいます。なお、『FXステージ』には「マージンコール」はございません。
出典:コトバンク
 
つまり、「あらかじめお金を貸す約束としてこっちに入れてもらってたお金が足りなくなるから、早く追加でお金入れてね」という、貸す側である会社から貸してもらう側の者への通知(警告)です。
 
この映画は、本来通知をする側である者が、逆に通知を突き付けられ、しかももうどうすることもできない状態で追い詰められてしまったという、ある種の皮肉ともなっています。
 
 

自らの保身のために、他者を犠牲にする

この映画には、明確な主人公が存在しません。

 

損失に気付いたのは若きアナリストのピーターですが、彼はあくまで問題を提起しただけで、作品内ではその事実を知った人々の意思や行動が次々と展開されていく群像劇になっています。

 

その中では、今まで散々いい思いをしてきた生活から、奈落の底に落ちる状況となった人間のどうしようもない面を見せつけられます。

 

・自分はこれからどうなるのか

・責任は誰にあるのか

・会社を守るために道徳に反することをやっていいのか

 

106分(1時間46分)の中で繰り広げられるのは、集約すれば上記3点が全てです。

 

会社は自分達が抱えているお荷物(証券)の本当の価値が外部にバレる前に、全て売り捌いて少しでも損失を少なくすることを決断します。

 

しかしそれは、価値が無いどころか損失を生む商品(ガラクタ)を大切な取引相手を騙して押し付ける行為であり、これを実行すれば市場においての自分達の信頼は失墜し、今後二度と取引してくれる相手はいなくなり、それどころか市場に参加する権利を失い、捜査機関による強制捜査が行われることとなります。

 

つまり、他者を犠牲にし全てを失うことになっても、会社を残し自分達が生き残ることを選んだのです。

 

正義感がある人からすれば「なんてことを!信じられない!」と思うかもしれませんが、おそらく現実の会社でもこういう恐ろしい決断をするんだろうなと思います。

 

組織というのは保身に走る体質を抱えており、これは少数が反対の声を挙げても握りつぶされ変わることのない部分です。

 

 

弱肉強食で何が悪い?

最終的に会社としての決断を出すのは会社で最も偉い人物なのですが、中には「本当にやる気なのか?」と疑問を呈したりトップに反発するキャラクターもいます。

 

しかし、それに対して返される言葉は、こんなものです。

 

・どうせ自分達は何をやっても叩かれる。そんな叩いてくる連中のことを何で考えてやらないといけない。自分達が生き残ればそれでいい。

 

・今までも多くの困難があり犠牲もあったが、自分達は生き残った。勝てば金を得て負ければ終わるだけ。余計な良心はいらない。

 

資本主義は弱肉強食の世界であり、そこには必ず勝者と敗者がいます。

それはおかしいと主張する人もいますが、これは仕組み上避けられないことで、みんな自分を守るだけで精一杯なのです。

 

それが嫌なのであれば、資本主義の国から抜けて他の場所へ行くしかありません。

この映画は、そんな事実を淡々と突き付けてきます。

 

 

窮地に立たされる前に、対策を打つこと

映画の結末は何とも後味の悪いものとなっています。

 

会社は見事ガラクタを市場に売り捌き、それを実行した末端の社員達は次々に解雇通知を出される中、それを決断した側である者達は残る。

 

もちろん無傷というわけではなく、今後どうなるかは分かりませんが、おそらく当面は困らない金を手に入れ生活していくことでしょう。

 

この映画を通じて学んだのは、『追い詰められた人間が取る行動は残酷で、だからこそそうならないように出来得る限りの対策が必要である』ということです。

 

作品中で上層部が、「あの時真剣に捉えていればこんなことには・・・!」と諍いを起こす場面があります。

 

つまり、実は問題が発覚する前にその兆候は掴んでいたにも関わらず、それを取るに足らないことと向き合わず放置していたことが分かります。

 

それによって取り返しのつかない事態に陥り、最悪の方向へ転がってしまったワケです。

 

人間は自分が生き残るためなら、時にどんなことでもします。それは犯罪だとか倫理に反するだとかの前に、本能としてある部分なのでもう仕方のないことかもしれません。

 

でも、生き残るか死ぬかの瀬戸際に立つ前の余裕がある状態であれば、そんな恐ろしい決断をすることなく行動することもできるかもしれません。

 

なので、何か嫌な違和感や兆候を察知したら、どんな些細なことであっても目をこらし精査することが大切なのだと僕は思います。

 

 

まとめ

正義・道徳心・倫理観・良心…

人間として生きていく上で捨て去ってはいけないはずの要素は、追い詰められた人間を前にしても機能するものなのか?

 

投資に関わる人だけでなく、金融を全く知らない人にも観る価値がある作品だと思います。

 

106分に渡るスリリングな展開と緊迫感を、ぜひその肌で感じてみてください。

 

PBRとは?~分かりやすく解説~

皆様こんにちは、takahiroです。

 

株式投資において、株を買うべきかを決定する大切な指標の1つに『PBR』というものがあります。

 

PERとスペルが似ていて、同じものだと勘違いしてしまっている人もいるかもしれませんし、PERとPBRの何が違うのか、そもそも違うものなのかよく理解できていない人もいるかもしれません。

 

そこで今回は、PBRについて詳しく説明します。

 

 

PBRとは?

まず、読み方は「ピービーアール」となります。

正式名称は英語で「price book-value ratio(プライス・ブックバリュー・レシオ)」

日本語では「株価純資産倍率」と言います。

 

簡単に言うと、『その会社の株価と純資産の関係性から、現在の株価がお買い得かそうでないか』を判断するための指標となっています。

 

株価というのは、文字通り現在の株の値段です。

純資産というのは、総資本(現在会社が保有している全ての資産)から、他人資本(銀行等から借りている、いつか返済する必要のあるお金。つまり借金)を引いたお金です。

 

おそらくこの説明だけではいまいちピンと来ないかもしれませんので、次の章でもっと詳しく見ていきます。

 

 

 

PBRの計算式は?

PBRは、以下の式で算出することができます。ちなみに単位は倍数で表されます。

 

時価総額÷純資産

 

または、以下の式でも同様に算出できます。

 

株価÷1株当たりの純資産(BPSとも言います)

 

時価総額は、「株価×発行済みの株の総数」で算出される、会社丸ごとの価値がいくらかを示しています。

 

1株あたりの純資産(BPS)は、「純資産÷発行済みの株の総数」で算出される、1株に純資産の価値がいくらあるのか示しています。

 

PBRを上記の式で算出すると、『現在の株価が純資産の何倍で買われているか』が判明します。

 

例えば、株価が1000円、1株あたりの純資産が100円であったとしましょう。

 

先程の式に当てはめると、「株価(1000円)÷1株当たりの純資産(100円)」で、PBRは10倍ということになります。

 

そうすると、現在の株価は純資産の10倍の価値で買われていると判断することができます。

 

では、もし株価が100円だったらどうでしょう。

 

両社の数値は同じなので、計算すると現在の株価は純資産の1倍で買われていると判断されます。つまり、株価と純資産は同じ価値だと言い換えることができます。

 

・株価が純資産の10倍の価値で買われている

・株価が純資産と同じ価値で買われている

 

両者を比較した時、後者の方が株価の価値は純資産の価値と合っているから、妥当だということになります。

 

純資産の10倍の価値で買われている現在の株価は、割高(お買い得ではない)ということになるのです。

 

 

PBRはどれくらいの数値だと良いの?

PBRは、基本的に数値が低ければ低いほど良いものになります。

これは先程お話したように、現在の株価が純資産の何倍かで表されるため、低ければそれだけ市場では安く評価されており、お買い得な状態ということになるからです。

 

そして、一般的にはPBRが1倍に近ければ近いほど良いと言われています。

 

ただ、これはPERをはじめとする他の指標と同様にあくまで目安であり、同じ業種の会社や、会社の現在と過去の数値を比較して見て判断することになるので、1倍に近いから必ず良い!というものではありません。

 

また、もし数値が高くても会社の戦略上ちゃんとした理由があれば問題ありませんし、逆に1倍を割った数値(0.8倍など)でもそこに会社としてマズい状況が隠れている場合もあります。

 

そのため、PBRの額面の数値で判断するのではなく、「なぜその数値なのか」まで深掘りして追うことが重要です。

 

 

まとめ

PBRとPERは、ともに会社の株がお買い得かどうかを判断するための指標となりますが、PERが「株価と純利益」を比較するのに対して、PBRは「株価と純資産」を比較しています。

 

つまり、両方の視点から見るとより正確な判断ができる可能性が高まるので、どちらか片方ではなく、両方をしっかり理解して使えるようにしておくといいかと思います。

 

PERについて詳しくはこちら

toushi-wakariyasui.hatenablog.com